第2章 サイン調査の方法について

2.1. サイン調査の目的

 共同研究のテーマとして、我々が『図書館サインの改善案計画』を選んだのは、大学図書館の現状に下記のものがあるのではないかと考えたからである。

現在の図書館では、

「どこですか(コピーやトイレの場所)質問」や「禁止サインが守られない」という問題点がある。
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              なぜ?
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従来のサインが機能的でないからだ
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     どうすればよいのか?
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サインの良し悪しのポイントを押さえて改善すればよい
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           どうなるか?
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[規制サインの見直し]がマナー向上につながる
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   どのような効果があらわれるのか?
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「どこですか質問の撲滅」and「利用者の自立心の向上」
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職員の対応のための手間が省ける
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利用教育に費やす時間がふえる
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            結果は?
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「どうするんですか(レファレンス)質問」の増加につながる
        ↓
   利用者のレベルが向上する

 利用者の要求に応じて、自分たちでよかれと思って作っているサインの効果はどれくらいあるものなのか。また、逆に悪影響はないのか。サインの効果測定を行っている図書館は少ないのではないだろうか。

 利用者にとって資料を探す際、サインは道しるべになる。サインの良し悪しによって図書館を活用できるか否かが決まってしまうと言ってもいいすぎではない。サインでの誘導が利用者教育の第一歩になるのではないだろうか。サインの充実により「どこですか質問」を撲滅し、カウンターでの無意味な対応を減らし、より高い水準の質問を受け付け利用者のレベル向上を計ることができる。

 図書館サイドでも、新館時には、お金をかけ見栄えのいいすばらしいサインを作るが、時間が経つと実情にあわないサインが増えてくる。サイン計画が存在し、それにそって実施されている図書館は少ないのではないか。それはなぜか?という疑問を解決することは、次回の図書館建築には役立つが現状の解決にはならない。現状を解決するにはどうすればいいのか。既にできてしまったサインの改善に関する文献もない。

 以上のことをふまえ、我々は実務に役立つ研究をしようということで、サイン計画で失敗し効果のないサインで悩まされ続けている図書館や新しいサインがほしいけれどお金がない図書館、サインを失敗している事に気付いていない図書館に参考となるサインの再計画マニュアルを作成することにした。手始めに、実例を集め、よりよいサインとは何か悪いサインとは何かを調査することにした。実例を均一化するために、思考錯誤しながら独自のサイン調査シートを作成した。調査の対象として、我々メンバーの図書館は既に見学等しているので、初めて訪問する図書館を利用することによりサインの素材を集め、サインの良し悪しを判断できるポイントを探ることにした。


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