図書館における広報は、長い間「図書館からのお知らせ」という一方通行で行われてきた。
広報についての本を読むと、20年も前から「お知らせ」広報は時代遅れとされている。図書館では、旧態依然のやり方がいまだにまかり通っているのが現状だ。こうした貧弱な広報の現状をなんとかしたいという思いから、共同研究は「基礎理論の研究」と「身の回りの広報手段の見直し」から始められた。
基礎理論では、図書館、上部機関(大学当局や役所等)、利用者が互いに刺激しあって、相互に利益になる状況を生み出していく「発展的循環モデル」を考えた。そこでは、広報は、図書館を「発展的循環モデル」に近づけるための手段として位置づけられる。この基礎理論については、1982年に分科会としての報告書が作成された。