9巻2号 通巻79号 1994年10月1日 発行: 私立大学図書館協会 東地区部会研究部 企画広報分科会 |
企画広報研究分科会の広報誌として発行してきたPPRが今号から装いも新たになりました。表紙をはじめデザイン的に変わったばかりでなく、中身もさらに充実して、視点を広く、大学図書館の話題にマッチした特集を中心に捉え、読みごたえのある広報誌にしていきたいと考えています。PPRが誕生して7年、さらに図書館の広報を皆様にわかりやすく広めていく意味も込めて、リニューアルPPRの今後にご期待ください。
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PPR94年6月号の「特集:オリエンテーションを探る」で新入生のためのオリエンテーションにテーマをしぼり、利用者教育について再認識をする問題提起をしました。そこでは当分科会の会員たちの自館でのオリエンテーションの実施状況についてのアンケートのかたちで項目ごとの解答を載せたことにとどめました。実施してはいるが、成功しているか(それが何をもって成功と呼ぶかは意見の分かれるところであるが)が実体として掴みにくいという印象を持たれた方もいたことでしょう。実は他の大学図書館も同じような漠然とした利用者教育の理想と現実とのギャップの問題を抱えているのではないでしょうか。
PPRのリニューアルを機会に、前号の利用者教育の再認識を別のかたちで取り上げ、さらに問題提起をしようというのがこのシリーズの意図するところです。多くの大学で利用者教育の必要性について充分に論じられ、実践されているにもかかわらず、毎日のルーチンワークに追われて利用者不在の仕事をしていると感じることもしばしばです。利用者教育についてあらためて考えるきっかけになれば幸いです。
日頃から利用者教育に強い関心を抱いている人、自分は利用者教育を実践しているという人、反対に自分は利用者教育とは関係ないと感じている人、さまざまです。ここでは、そんな図書館員の問題意識と関心の度合いをチェックしてみることから始めてみようと思い、シリーズ利用者教育の1回目としました。題して「自覚症状ありますか?」今の自分が利用者教育から遠いところにいると感じたら、次のチャートで自己診断することをお勧めします。
あなたの利用者教育関心度チェック |
やり方は簡単。下の20の質問に当てはまると思えば○を付けてください。○の数によって、あなたが今、どの程度利用者教育に関心があるかがわかるというもの。さらにタイプ別の図書館員キャラクターというおまけ付き。遊び心でチャレンジしてください。
1.人とのコミュニケーションは苦手だ。 | 11.利用者の声など気にならない。 |
2.ファーストフードのサービスには抵抗がある。 | 12.学生の質問によっては、つい冷たくしてしまうことがある。 |
3.大勢の人の前で話すのは苦手だ。 | 13.自分がやらなくても誰かがやってくれると思う。 |
4.「図書館の達人」を見たことがない。 | 14.与えられたオリエンテーションの分担に満足している。 |
5.自分の仕事は他人に任せられない。 | 15.利用者教育は今の自分とは無関係だと思う。 |
6.オリエンテーションの時期がくるとユーウツになる。 | 16.館内ツアーよりも利用案内の方が効果的だと思う。 |
7.図書館は本当に来たい人だけ来ればよいと思う。 | 17.自分は充分なサービスをしていると思う。 |
8.利用案内の改訂には消極的だ。 | 18.利用者教育のための企画書を作ったことがない。 |
9.つい昔を懐かしんでしまう。 | 19.身だしなみには気を使わない方だ。 |
10.世間の変化についていけないと思うことがしばしばある。 | 20.これ以上仕事を増やしたくない。 |
さてあなたのタイプは? |
あるテーマごとに5冊の本をご紹介するシリーズ。第1回は当分科会ならではの広報に関する本です。
まえがきには、「専門書でもない理論書でもない、手元において、何時でもみられるような参考書」とある。広報の定義から始まり、広報マンの職務、CIの意義など100項目について見開き2頁で簡潔に解説している。
一時もてはやされていたCI(Corporate Identity)という言葉も、最近あまり聞かれなくなった。しかし広報を考えていくと最後にはこのCIの理論に行き着く。この本はその第一人者であるPAOSのCI開発の全てを自身がまとめた三部作の中の一冊。CI開発のための方法論がその事例をもとに紹介されている。
図解や表がたくさん使われ、それが分かりやすさのモトになっている。「広報的方法」「広告的方法」の意味と違いが明確に分かっただけで、図書館や大学の広報に対する目も、ちょっとだけクリアになる。
本書は、情報と自治体政府の広報をめぐる基本的な問題とその展開を明らかにすることを目的とし、広報の「Public Relations」に関する分野に重点を置いて、機能化する市民との関係改善を戦略的に検討している。
広報委員会には居なかったけど・・・・という方に。広報経験のない主人公花子さんと彼女をサポートする元新聞記者の叔父さんとの会話は、広報初心者にはずっと入りこめる内容。PTAという関係のない領域だけど参考になる。
7月11日〜16日までの6日間、ポスターのイラスト・レーターさん、フジイ・フランソワさんの個展が開かれました。みなさまにお知らせするのが遅くなり、残念でしたが、会場にはたくさんの人が集まり、大盛況に終わりました。どの作品も、個性的でかつ暖かく私たちをやさしい気持ちにさせてくれるものでした。また、共同制作ポスターの葉書が売っていたのには、感動!!かわいいのでつい、買ってしまい、お気に入り!個展終了後でも購入できますので欲しい人はMAYAへどうぞ。そのほかのフランソワさんの個性が光る葉書も置いてありますよ。(Y)