9巻3号 通巻80号 1994年11月1日 発行: 私立大学図書館協会 東地区部会研究部 企画広報分科会 |
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図書館員となり、毎日同じ顔ぶれの事務室に通う。いつのまにやら外の世界が見えなくなって、自分の常識が世間の非常識になっていたりして....。
たまにはちょっと立ち止まって、情報技術の革新の中でライブラリアンがどのように変わっていくべきか、今の自分に欠けているものは何なのか冷静に考えてみよう。そして、ステップアップのための一歩を自分から踏み出そう。
本学の図書館利用指導としては、一昨年までは、4月初旬に行う学生部主催の新入生オリエンテーションに組み込まれた図書館の利用方法についての説明だけであった。しかし、92年10月の新図書館オープンと同時に、業務の機械化が行われ、目録もOPACで検索しなければならなくなり、93年4月に新図書館が独自に主催する各種の利用指導を行うようになった。開始から1年半しか経過しておらず、まだ手探りの状態である。ここに事例報告をすることでご指摘・ご助言をいただければ幸いである。
今年度春季の利用指導は、先に述べた新入生オリエンテーション、館内ツアーの他、「図書館活用講座 情報の達人」と銘打って、Aコース「How to OPAC −所蔵資料の探し方」、Bコース「こうすれば手に入る −図書編」、Cコース「こうすれば手に入る −雑誌・新聞編」を5月11日〜25日の間に、Aコースは10回、B・Cコースは5回ずつ、各コースとも1回約1時間かけ、図書館内の視聴覚ホール(約40人収容)で行った。各コースとも対象を特に新入生に限ったものではない。この内、データベースの利用指導であるAコースについての内容を紹介する。
Aコースは、キーボードにさわったことがない初心者でも文字の入力方法から各種の条件指定検索までができるようになることを指導目標としている。今年度になって待望の『情報検索マニュアル OPAC -入門編』(16頁)が完成したので、それをテキストとして利用した。まず始めにキーボードの使い方、特にファンクションキーやリターンキーの使い方を説明した後、100インチマルチスキャンプロジェクターに検索画面を映し、図書及び雑誌の書(誌)名、著作名等での検索やその絞り込み方法、検索結果詳細表示内容について詳しく解説した。また館内の資料配置やNDCの概要についても多少ふれた。
指導後のアンケートでは、指導の時間、時間帯、長さ等については概ね好評だったが、OPACの利用指導だけではなく、J-BISCの指導も行って欲しいとの要望がいくつか出されたので今後検討したいと考えている。
ポスター・本のしおり・掲示用紙の共同制作が日本図書館協会に移管されることになりました。来年度用ポスターの制作は日本図書館協会ですでに進められています。
「図書館雑誌」12月号に応募要領が載りますので、それに従って申し込んでください。価格は未定ですが、昨年度のものから大幅に値下げされるようなことはない模様です。
共同制作は、足掛け11年にわたって企画広報研究分科会が研究活動の一環として行ってきました。参加館も60館を越えるほどに発展し、それに伴って、事務処理も分科会で扱える範囲を超える量になりました。一分科会が行っていては、これ以上の発展が見込まれません。
こうした事情から、日本図書館協会への移管が実現しました。
来年度から新装開店となる共同制作。今まで以上に、みなさまのご参加、ご協力をよろしくお願いいたします。
秋も深まり、学園祭など行事の多い大学において、図書館でも、読書や芸術にふさわしく、展示等イベントを企画するときに役立つ5冊を選んでみました。これであなたもイベント上手!!
企画というのは、「何が必要なのか」から、「最終の目標は何なのか」まで幾つかのポイントを絞って考えていけば、案外カンタンなものであり、そのポイントをプロセスごとに、流れに沿っていってみよう、という本。実例がプロセスに併せて載っている。
今や世界の国々において色々なイベントが開催されている。そのイベントの目的・手段・方法や必要性について解説されている。また、イベントの成功例など実例を踏まえながら紹介している実践的実用書である。
企画とは知的冒険であり、その能力を企画力と呼ぶ。こんにちの社会が「企画」を必要としていること、さらに今ほど新しい「企画」が切実に求められている時代はない、と著者はいうが、実際には我々の生活のごく一般的な諸事情のなかににもそれは要求されているのである。そうした我々の頭の中にあるイメージを「企画力」にまで高めるためのノウハウが本書で紹介されている。空間ディスプレイに慣れない図書館員のイメージトレーニングにどうぞ。
ソニーの盛田昭夫会長が「銀座に季節感を」と始めたソニースクエア。わずか30m2の空間で四季折々の花が咲き、日本各地の芸能文化が紹介され、物産が配られる。情報発信としてのイベントのお手本に。
「新しい図書館の役割としてのアイデア、イマジネーション、創造性の刺激をあげ、ユーザーをひきつけるための各種手段として、モットーの採用、各種の出版物の作成と配布、空間の演出、イベント等を具体的に列挙した。」とある。ユーザーをひきつけるイベントとは、どのようなものであるか、興味をもつ内容である。