9巻4号 通巻81号 1994年12月1日 発行: 私立大学図書館協会 東地区部会研究部 企画広報分科会 |
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最近、図書館におけるニューメディア・マルチメディアの普及には目を見張るものがあります。そこで、利用者教育を踏まえ各図書館でどのように対応しているのか現状を探っていきたいと思い、今回は、企画広報研究分科会メンバーの11館を対象としてアンケート調査を行いました。各図書館の現状を参考にしていただければ幸いです。
また、この企画については、”問題意識”をもって今後も検討していきたいと思います。
(例) | a.日経テレコン | 40円 | × | 検索時間 |
b.NACSIS-IR | 30円 | × | 件数 | |
c.JOIS | 155円 | × | 検索時間 | |
d.ASSIST | 200円 | × | 検索時間 |
利用者教育も今回で第3回目になりました。第1回目・第2回目については、図書館員自身の意識に問いかけるものでしたが、今回は利用者から図書館および図書館員に向けてのメッセージを踏まえながら利用者教育について考えていきたいと思います。
「利用者は図書館に何を求めているか」
私の勤める図書館で、この問いに明確に答えられる図書館員は一人もいません。ここ10年以上まとまった利用者調査などは何もやっていないからです。投書箱はずっと以前からありましたが、回答は出していませんでした。従って、投書はほとんど来ません。(返事をしない人に誰が話しかけるでしょう)
そんななか、この5月から投書の回答を出し始めました。回答を出すと、予想通り投書は増えていきました。最初のうちは、職員の態度が悪い、私語がうるさいのでなんとかしてほしい、**を買ってほしいというような不満や改善要求が主でした。半年経った今、投書は単なる不満のゴミ箱ではなくなりつつあります。選書基準に関する質問。「こうしたらいい」という提案型の投書。ここは良い点だという評価型のもの。また、誰かが意見を書くと、他の誰かがその反対意見を書くという、投書を通しての利用者どうしのコミュニケーションも見られます。
何より予想外だったことは、貼り出された「投書と回答」を見ている利用者が実に多いということでした。図書館の掲示物でこんなに多くの人の注目を集めたものはありません。このことは、図書館職員の側にも微妙な影響を与えているはずです。
回答を出し始めてまだ半年たらずなので「何を求めているか」を把握できる状況ではありません。ただ、このささやかなシステムが、今までの「図書館が選んだ利用者だけが利用できる図書館」ではない、もっと開かれた図書館への可能性を開いてくれることを期待しています。
寒さ厳しい冬に向かう中、冒険家にとっては自分たちの季節がきたと心踊らせているにちがいない。あなたもその冒険家たちの体験談など読んで冒険の雰囲気だけでも味わってみては!そこで今回は冬の夜に心を熱くしてくれる4冊を選んでみました。
「用心集」と銘打ちながらも、決しておしつけがましさを感じさせない語り口。旅の心がまえを考察する著者の筆は、次第に人生における生きる心が前へとつながってゆく。人間の生活の中で尊重されるべき良識と本物の教義とは、何なのか、ヒントを与えてくれる一冊。
英語でカヤックとは、デッキつきのフネでり、カヌーとは区別されるのだそうだ。冒頭からの引用、『これがいくら革命的な本だといっても、これ一冊でエキスパート・カヤックになれるなんて思ってはいけない。』確かに革命的な本だ。バドル術から水力学、遭難時の救助法まで著者自身が体得(あるいは失敗)したノウハウが、自身のイラストとともに全頁にわたって書かれている。それも活字ではなく手書きの文字で。まさしく冒険野郎の本だ。
冒険というと数多くあるが、そのほとんどは成功した華々しい内容である。しかし冒険に失敗はつきもの。失意の中で息絶えていくスコット最後の手紙の中に、冒険の「影」の部分が見えてくるのが本書だ。同出版社からの「アムンゼン南極点」と対比して読んでも面白い。
本書は、波瀾万丈の冒険記でもなければ、危険に対する挑戦でもない。しかし、一人の青年が、環境も価値観も異なる異国(ベトナム)で、一年近く、日本語教師として生活してきた実体験を青春文学風に描いたものであり、読み易い。特に、前判部分は、日本語を媒介として、ベトナム人の生徒との心のふれ合いを、生き生きと描写している。
昨年度から、私の勤めている大学では、「お弁当盗難事件」が続発している。「お弁当盗難にご注意」のポスターが学内数か所に貼られていたぐらいである。そしてついに図書館でも事件が起きた。閲覧席においた鞄の中からお弁当だけを盗み、中身を全部たいらげ(たと思われる)、お弁当箱は元通りクロスできれいに包みトイレの洗面台の上に置いていったという。「ごちそう様」と書いてあったかどうかは知らない。(お)