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国内・海外のラーニングコモンズの事例紹介を行っています。

中規模図書館の場合 
 学生数2,001?9,999人以下(今回は、5,000人程度を想定)

a.テクノロジー支援

(1)PCスペース 必要度★★★★★

  できる限り、快適に利用できるように、新しいPCが望ましい。ここでいう快 適性は、すぐにイン   ターネットにアクセスでき、ストレスのない利用が 可能と定義する。また、附属の機器もプラグ&プレイで、利用できるものする 。できれば、用途別にアプリケーションをインストールする。

【提案設備】

 デスクトップ:PCまたはMac150

 ノートPCPCまたはMac30台(館内貸出用)

 アプリケーション:MS Office, Photoshop, Illustrator, Premiere,
               Dreamwever
, Final Cut Proなど

(2)キオスク端末 必要度★★

キオスク端末があれば、PCスペース混雑を少しでも解消できるからである。キオスク端末の用途はメールのチェック、授業のレジュメの印刷など1015分程度で利用が終わるものを想定している。また、必要な時にすぐ利用できるように、図書館の入口近くに設けることが望ましい。

【提案設備】

デスクトップ:PCまたはMac510

b.利用者支援

(1)テクノロジーデスク 必要度★★★★★

  アプリケーションの使用法からトラブルの処理まで幅広く行える人材が必要となる。最低でも1〜2人以上は必要。北米の大学では、簡単な質問対応や時間外は学生スタッフが担当している場合が多い。ここで問題になるのは、理系や情報系の学生がいない大学であるが、情報系の科目はどこの大学でも開設されているし、学内外で公募する場合は、ITセンターの協力を得て人材を確保することも必要となる。また、情報系以外の学部生の方が、自分の所属する学部学科、コースの学生のニーズがわかるというメリットもある。どちらにしろ、雇用の際に採用基準(情報系基礎科目等の履修の有無)を設け、雇用後にOJTで教育をしていく必要がある。

【提案設備】

 テクノロジーデスク:情報支援部門の職員12人 
  および、学生スタッフ1〜
2

   ノートPCまたはMac 2

(2)レファレンスデスク 必要度★★★★★

レファレンスは簡単なものから難しいものまで程度が分かれる。そのため図書館員が常駐していることが理想。それが難しい場合は、学生スタッフを雇用・教育して担当することも可能。難しい質問には学生スタッフから専門の図書館員につなげるようにすればよい。また、同じ部署内に担当の図書館員をサポートできる図書館員が23人いることが望ましい。

【提案設備】

 レファレンスデスク

 図書館員 1人 または 学生スタッフ2

(3)貸出、返却デスク 必要度★★★★★

  テクノロジーデスクとレファレンスデスクと分割して設ける必要がある。 中規模以上の図書館では、専用デスクを設けたほうが良い。なぜなら、同じ にすると貸出・返却の利用者が多いときに情報技術やレファレンスの質問に まで対応できない可能性が高いからである。待ち時間が少ないことは利用者 からの評価も高くなる。なお、学生スタッフでも対応可能である。

【提案設備】

  貸出、返却デスク

担当職員:2人 または 学生スタッフ2

(4)オンラインサポート 必要度★★★★

 上記のテクノロジーデスクやレファレンスデスクでもチャットやメールに よるサポートを行うことですばやく利用者からの質問に回答することが可能 となる。訪問した北米の大学図書館では、ほぼ全てのところで採用されてい た。図書館のホームページのトップページからすぐ分かる箇所に利用方法が 紹介されている例が多い。なお、専門の担当者を置くのは図書館員の全体人 数から難しい場合は、リーダーを決めたうえで複数名で兼務することで解決 ができる。担当者は対応できるときに持ち回りで担当すればよい。

    【提案設備】

  オンラインサポート

 図書館員:1〜2人(他の業務と兼務)

(5)ライティングデスク 必要度★★★★★

  図書館外に設置している大学もあるが、できればキャンパス内で多くの利用者が長時間利用できる図書館内にあることが望ましい。Simmons Collegeは昨 年、学外から図書館内へ移設した。これは利用者の利便性を考慮したものであ る。また、レポートや論文の文章力が近年では就職前に求められる能力のひとつとなってきている。そのため、教員からの指導のみではなく、普段から相談でき、書いた文章についてアドバイスやフィードバックがもらえる機会を学生側も求めていると思われる。

LC内のスペースには余裕がないことが考えられるのでレファレンスデスクに統合する。

    【提案設備】

   レファレンスデスクに統合

   PCまたはMac2台(ノートPCが望ましい)

   ホワイトボード

   可動式の机、椅子

(6)教員支援デスク 必要度★★★

  就職前にある程度の知識・技能を備えた学生を輩出するためには、学部教育の内容・方法の見直しが求められている。そのために、FD支援のための教員支援デスクは、今後、必須のサービスである。情報技術と授業設計の知識をもったインストラクショナルデザイナーという専門職が必要である。それが難しい場合は、IT系の職員と授業設計を専門とする(もしくは詳しい)研究者の協力が必要。もし、LC内のスペースに余裕があれば、1部屋確保する。それが難しければ、レファレンスデスクの横に設置してスタッフが対応するといった形でも良い。

【提案設備】

パーティションで仕切られた部屋またはレファレンスデスクに統合

   PCまたはMac2台(ラップトップが望ましい)

   ホワイトボード

   可動式の机、椅子

c.共同作業環境

 (1)グループ学習室 必要度★★★★★

 学習課題の変化で需要が増している。ガラスの仕切で区切り、外に音が漏れ るのを防ぐという工夫をしている。国内でも多数の大学で取り入れられてお り、ホワイトボードやモニターの備え付けは必須。

  【提案設備】

  小部屋:1015部屋、部屋の大きさは412人収容。可動式の机と椅子

  大部屋:1室、部屋の大きさは、2030人収容。可動式の机と椅子

  無線LAN

  PCまたはMac1部屋に1台、もしくはノートPCを貸し出すことで対応す   る。

   椅子は用途に応じて、ソファも。机の大きさは最低でも資料を広げられる   程度にする。

  ホワイトボード

(2)オープンディスカッションスペース 必要度★★★★★

オープンスペースでは、家具は、いろいろなタイプを入れる必要がある。例えばソファの前に小さなデスクがある場合や、移動式の机や椅子、低いパーティションで区切られたスペースといった具合である。学生が長時間過ごしても大丈夫なように照明や間取りを含めた居住空間という視点での設計も重要となる。

    【提案設備】

4〜6名で利用できるスペース:2030区画

d.教育支援

(1)電子教室 必要度★★★

ここは、正規の授業、スタッフの研修、情報リテラシーの講座、オリエンテーションといった行事等に使用される施設である。大規模図書館であれば最低1〜2室ぐらいは必要となる。

【提案設備】

   PCまたはMac30

   講師用PC1

     プロジェクター1台(固定式)

   スクリーン

    ホワイトボード

(2)教員支援センター 必要度★★★

主に、教員が教材を作成したり、eラーニングを授業と併用したりするといったコンテンツ作成のために使用する施設である。北米のLCには数多く併設されていた。日本における図書館内への設置例は、ほとんどないと推測されるが、LCが学生のためだけではなく、LCに備えている機器設備、サービスを使うような講義をする教員の授業力の向上にも役立つ施設ということをアピールするためにも必要な施設である。

  【提案設備】

   教員支援センター:12部屋
       (事務室兼メディア編集の作業室、会議室など)

職員:インストラクショナルデザイナー 12

難しければ、IT系職員:1人、授業設計を専門とする
    (もしくは詳しい)研究者:
1

   PCまたはMac:3台、タブレットPC2

    スキャナー:1

    デジタルビデオ、カメラ

   アプリケーション:Office, Photoshop, Illustrator, Dreamweaver, Keynote

  (3)ライティングセンター 必要度★★★

 学習の成果物であるレポートや論文作成の支援がその目的で年々重要度が増している。大学によっては、LC内デスクのみと言うところもあるが、論文レポートの一般的な書き方についての支援が中心となるので、スペースがあるのなら落ち着いた環境がよりふさわしい。また、ライティング講習会の開催も求められる。もし、LC内のスペースに余裕があれば、1部屋確保する。それが無理なら、レファレンスデスクの横に設置してスタッフが対応するといった形でも良い。

【提案設備】

パーティションで仕切られた部屋またはレファレンスデスクに統合

PCまたはMac1台(ノートPCが望ましい)

ホワイトボード

可動式の机、椅子

e.視聴覚スペース

(1)スタジオ 必要度★★

  スタジオは、主に映像の撮影・編集を行う。例えばeラーニングやWEBサイト用の素材を作成する際に防音や照明が完備されているこのような施設は必須である。映像の専門コースや学科があるのであれば、神田外語大学SACLAや大手前大学のメディアライブラリーCELLのような本格的なスタジオが理想的である。そうでなければ、簡易なスタジオ・編集機材でも代替が可能。

【提案設備】

ビデオカメラ

画像合成装置

照明

マイク

録音装置

(2)ホール 必要度★★

   ホールがあるとLCを利用して作成した成果を学内もしくは地域のコミュニティに対して発表する場として利用できる。

【提案設備】

 ホール(50100人) 1

(3)視聴、編集スペース 必要度★★

  映像作品の視聴、語学の勉強や授業用のコンテンツの作成(取材してきた映像、インタビューの音声などの編集)に利用する。個人またはグループで作業することまで想定した環境が求められる。

 【提案設備】

  ブース(1人)10区画もしくは、ブース(23人)5区画とグループ(46人)用の   部屋23

(4)プレゼンテーションスペース 必要度★★★★

g. 展示、イベント(1)プレゼンテーションスペース 参照 

f.滞在支援施設

 (1)カフェ  必要度★★★

  軽食が食べられる程度のカフェが理想。周辺の環境や、スペースの問題があるので、個々の大学の状況で判断することが必要。ただし、スペースの問題があるので、個々の大学の状況による。

【提案設備】

    ブース(23人)10テーブル

 (2)飲食スペース  必要度★★★★★

  持ち込んだ飲み物、食べ物を飲食できるスペース。または、飲み物、軽食の自動販売機があることが理想的。人数にあわせて可動できる椅子や机が望ましい。

【提案設備】

可動式机5

  可動式椅子20

  自販機2台

 (3)ラウンジ 必要度★★★

休憩目的なので、座り心地の良い椅子(ソファ)があればよい。なので、ひとところに固める必要はないので、各階のオープンスペースに少しずつソファがあるという展開でも可能。

 【提案設備】

ソファ 10

g.展示、イベント 

 (1)プレゼンテーションスペース 必要度★★★★

オープンな空間で、予約なく発表をしたい時に空いていれば利用できることが理想。授業もしくは学生のイベント、就職課のイベントなど幅広く利用ができる。発表者が目立つようになっていることが理想。円形で発表者を囲む、もしくは階段状のスペースが理想。公立はこだて未来大学の例が参考になる。

【提案設備】

      プレゼンテーションスペース:1〜2区画
      (人通りが多いところが理想)

 (2)ギャラリー 必要度★★★

    制作物の発表という点からみるとギャラリーは重要である。つまり同じく発表の場であるプレゼンテーションのスペースが「動」であれば、ここは「静」のスペースであると言うことができるからである。

   【提案設備】

       ギャラリー:1スペース

       ボード:1スペース分

(3)ラウンジ 必要度★★★

  ラウンジは、休憩のスペースだが、例えば壁際に展示物をかけるとミニギャラリーとなる。また、一般雑誌がおいてあるところにソファーを置くのも良い考えといえる。

  【提案設備】

         ソファー:10

         ボード:1スペース分


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